パリの地下鉄で、人生、初めてのスリ未遂に合った。
駆け込み乗車をしてきた少女達に押されて、一瞬、抱きつかれた状態になる。
一緒に行った娘は、親切にも電車に乗れるように少女達に隙間を空けてあげた。
しかし、当たりがあまりにも強かったので、(ラグビーのタックルのよう)
「お前ら、押しすぎ!」と私は、日本語で叫んだ。
(こういう場合、大声を出し、普段は決して使わない言葉も言えるようにしている)
次の瞬間、「ママ、カバン!」と娘が叫んだ。
カバンのファスナーが、2ヶ所5センチ空いていた。娘のカバンは全開だった。
私は、少女に「お前、何しとるねん」と叫び、
娘は、「go to police」と叫び、少女の腕を掴んでいた。
周りのスリ集団は、腕を掴まれた少女を置いて逃げて行った。
何も取ってないよというポーズをしたが、「not yet? not yet?」と私が叫ぶと、
少女は、「yet」と言って逃げて行った。
相手が、少女達でも、旅先では、気が抜けない。