私は、テキスタイルデザインの仕事をしていた。
仕事を始めた1970年代、世間はモーレツ社員とか言っていて、
会社に泊まり込んで仕事をして、納期に間に合わせるなんてことは当たり前だった。
80年代、90年代、記憶にないくらい、沢山、布の柄を描いた。
インターネットのない時代であった。
アンティークやヴィンテージ布の復刻の柄を描いていたことを、2000年代に入って
インターネットによって知った。
そういえば、小さな古い布切れから、プリント出来る版下の原画を起こす作業をしたり。ヨーロッパ、アンティーク布の原画の欠損した部分を修復したりしていた事を、思い出した。
2000年頃から、全部手描きのテキスタイルデザイン原画の需要は減り、パソコンでデザイン、編集、データで取り引きというのが主流になった。
コレクションでヴィンテージの布切れを集めているけど、メーター数がないため、
服も作れない。
復刻の技術はある、描く道具もまだある。
そうだ!発注者もいない、布にもならないけど、お気に入りのヴィンテージ布切れの
一人復刻の、原画を描こう。沢山描こう。